時計の針の行方
「とりあえず食堂行こうぜ。
腹が減ってるのに勉強どころじゃないからな。
後、上江田、ちょっとこっち来い」
この空気に堪えられなくなったのか、ハヤトが重い口を開いた。
そして、そのまま話を続ける。
「あ、工藤さんと美空は先に行っててよ。
俺たちは、話終わったらすぐに行くから」
美空と工藤は、話が少し気になったのだが、「分かった」と美空が言ったのを皮切りに、工藤に案内されながら教室を出ていった。
二人が消えたのを確認すると、ハヤトはニッコリと笑いながら上江田に問い質す。
「どうした?上江田。
先ほどまで、勉強が嫌いだったのに、いきなり好きになったのか?」
ハヤトはゆっくりと話す。
しかし、その言葉の一つ一つに毒が感じられた。