時計の針の行方

二人は、廊下を歩き終わり、階段を下っていった。
食堂は、一階の昇降口の前にある。
ハヤトは、階段を下りながら上江田に返答した。

「まあ、工藤さんは男子にも人気あるからな…
頑張れよ、上江田。
俺は、お前の恋が成就するように応援してるよ」


上江田は、「おう」とだけ答えて、二人は階段を下り終わった。
その後の二人は無言で、一階の廊下を淡々と歩いていた。
ただ、それは、会話が無いだの、気まずい状態ではなかった。
無理して会話を合わせることもない。
男同士の友情関係が此処にはあった。
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