時計の針の行方

上江田を見つけるのに数分とかからなかった。
ただでさえデカい図体だ。
どんなに端に座ってようが、一目で分かる。
上江田は四人席の窓際に座っており、携帯をいじっている最中だった。

ハヤトは、人込みに気をつけながらテーブル席へと辿り着いた。

「お待たせ、力うどんで良かったんだよな?」
ハヤトは上江田の隣りに座り、力うどんを上江田へと手渡した。

「ああ、サンキュー。
工藤さんとメールしてたんだが、どうやらもう少し時間かかるらしい」

上江田は、力うどんを自分の目の前に置いて、ハヤトに五百円を渡した。


ハヤトは、「ありがと」と言って五百円を受けとり、「先に食べちゃうか」と言葉を続けた。

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