時計の針の行方
「そりゃ、心配だってするだろ…
一応、同じ屋根の下で暮らしてる仲だしな」
美空はハヤトの優しい言葉を聞いて、クスッと笑った。
「なんだかお父さんみたいだね。ハヤトって」
「そうか、それなら光栄だ。
なら、父親気取りとして一言、言わせてもらう」
「なぁに?言いたいことって」
「そのクリームパンをさっさと食べ終われ」
「んも~ 分かったよ」
そう言うも、全く進む気配がない。
ハヤトは、美空が買ってきた菓子パンの袋からジャムパンを一つ取り出した。
「貰うぞ」
ハヤトの行動を見て、またもやクスリと笑い、美空は言う。
「ほら、やっぱり食いしん坊さんだ」
……
あのなあ…