時計の針の行方

彼等は戦争に次ぐ戦争で、その名声を高めてきた。
ハヤトは思う。

〝非日常を望むのはとても恐ろしいこと〟なのではないのか、と。



確かに俺は、日常が変わることを望んでいた。
それは何故か?
“退屈”だからだ。

退屈? 退屈という二文字で今の日常を変えたい?
それはおかしいことではないのだろうか。

よく分からない。
分からない。


自分の存在はなんなのか

生きている価値のある

人間なのか


そもそも価値とはなんなのか

もし自分に価値がないのならば

この世から消えてしまえばいいのか
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