時計の針の行方

「じゃあ、行くか」


「うん」

数少ない会話を交えながら、二人は廊下を歩き、食堂への入口のドアを開けた。

中を見ると、さすがに先ほどと比べて、人数が少なくなっており、上江田と工藤が端の席で、温和しく勉強しているのにも関わらず目立っていた。

それほど、食堂の中はガランとしていた。

二人は歩き、上江田たちの席へと辿り着く。


「よう、随分遅かったじゃないか」

上江田と工藤は、同じ英語の教科書を開いていた。
どうやら、工藤が上江田に勉強を教えているような感じだった。


まあ、工藤さんも大変だろうな…

JapanをJaponと間違える男なんて、この学校で上江田ぐらいだろう。
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