時計の針の行方
「ああ、ちょっと話が長くなってな…
勉強の調子はどうだ?」

上江田は、右手の親指を上に突き立てて、バッチシ!という表情をする。

どうやら、工藤さんの教育方法が相当良かったみたいだな。

「上江田クン、物覚えが良いから助かったよー
アヤちゃん達は、これから勉強していくの?」

そう言って、首を傾げる工藤。
少し茶色いショートカットが、本当に良く似合っていた。

ハヤトは、携帯で時間を確認する。
携帯の時計は、十六時五十二分を示していた。


やっぱり無理そうだな…


「ゴメン、ちょっと時間的に余裕なかったね。
今日は、温和しく帰ることにするよ」
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