時計の針の行方
二人は、正門を出て整備されていない道路を歩いていた。
幸い、この時間帯はあまり暑くない。
昼間なら、夏の日差しが辺りを照り付けるのだが、夕方にもなると若干、陽の光が弱まっていた。
二人は、無言で隣り合せに歩いていた。
しかし、この状況を打破したのは、美空の言葉からだった。
「ねえ、ハヤト。
今まで女の人と付き合ったことあるの?」
「なんだよ唐突に…
お前は、今まで男の人と付き合ったことあるのか?」
ハヤトがそう聞き返すと、美空は、プクッと頬を膨らませながら言った。
「質問を質問で返しちゃいけません。
言われたことに答えてください」