時計の針の行方

「うー、分かったけど、朝はしっかり食べなきゃダメだよ?」

美空はハヤトの鼻を、ちょんと人差し指で押しながら話す。
まるで、小さい子をあやす、かのように。


「……俺が父親代わりなら、お前は母親代わりだな。
母親二人もいらねーけど」

プイっと、美空の手をハヤトは退かす。
そして、そのまま早足でスタスタと歩きだす。


後ろから「ハヤトは恥ずかしがりやだなー」と言う声が聞こえてきたが、ハヤトは無視して歩き続けた。




こうして無言で歩き続けるうちに、ようやくハヤトの家へと辿り着く。
早歩きしてから、二分もかからなかった。
予想以上に近く、歩くスピードが速かった為、速いペースで家へと辿り着いた。
< 149 / 159 >

この作品をシェア

pagetop