時計の針の行方

「だから、具体的に説明しろって。つうか、話があるなら、今、ここで、話せよ」
少し苛立ち気味で答える。
正直、面倒なのでさっさと終わらせてほしい。

「あんたね」呆れた挙げ句、美空が言った。
「人が、帰りに付き合ってって言ってるの。その理由も帰る途中に話す。ここまで説明してもわからないかな?」

…なんだかスゴく面倒なことになりそうだな。
正直、付き合いたくない。面倒だ。
内海は、右手で頭を少し掻いた後、いかにも面倒そうに答える。

「嫌だ。だりぃから付き合えない。ごめんな」

「大事な話があるって言ってるでしょ。あなたには理解できないの?」

「するつもりもないね」
こうなると、どちらも譲らず退かずだ。
このままでは、収拾がつかないと感じたのだろう。
美空が口調を変えて内海に言う。
「そう…けど、少しだけ我慢してくれないかな?これは、あなたにとっても、私にとっても大事な大事な話なの。お願いだから付き合って」