時計の針の行方
八月
八月後半。


俺は、二年E組の教室で、必死にシャーペンを動かしていた。
上江田と共に。

美空は、他の友達の家に遊びにいったらしい。
全く、羨ましい限りだ。

この教室には、他にも人がいる。
その全員に共通していたのは、期末で一個以上、赤点を取ったことと、同じ学年というだけだった。


暑い。とにかく暑い。
既に、教室内の温度は、三十五度を優に超えていた。

うるさい。とにかくうるさい。
先ほどから鳴きやむ様子のない蝉の鳴き声が、朝から延々と続いていた。



俺は蝉の声と、見回りの先生の足音を聞きながら、必死に、数学の問題を解いていた。

まあ、案の定と言うべきか。
俺は、数学で赤点を取ってしまい、こうして学校へ通う羽目になっていた。
結果は、二十八点。
微妙に惜しい。


一方、上江田の方は、四つも赤点を取ってしまった為、ほぼ毎日学校通いだった。
まあ、どちらにせよ、上江田は部活の都合で、毎日学校に来なければならなかったのだが。
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