時計の針の行方


ハヤトは、心の中でガッツポーズしながら、「ありがとうございました」と、北条に短くお礼を言った。

ハヤトは、自分の席に置いてあった鞄を取り、すぐさま教室を出た。
教室を出ると、外から太陽の光が、廊下にサンサンと差し込んでおり、開放的な気分になった。


腹も減ったし、疲れたし、さっさと帰るかな。

ハヤトは廊下を歩き終わり、階段を下りながら携帯を開いた。
待ち受け画面の時計は、十三時三十二分と表示されていた。


学校に着いたのが九時だったから…
今まで、四時間以上も勉強してたのか。

ハヤトは自分で自分を褒めた。
ハヤトが最初から赤点取らずにいたら、このように学校に来ることもなかったのだが、ハヤトはそれを気にしなかった。

昇降口へ着くと、いつも通りに靴を履き替えて、暑い風を感じながら校舎から出た。
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