時計の針の行方



「今では…?
てことは、昔はそうは思ってなかったということ?」



「もう、その辺はノーコメントですー」

麗奈は、両手でゆっくりと麦茶を飲んだ。

どうも、母さんと話してると調子が狂う。
あまり、自分のことを話したがらない。
特に、父親のことについては、あまり話そうとしなかった。

わざと、その話題を避けてるように。



父親いないから、寂しいとか思ってるのかな…
もう、高校生なんだからそんなこともないのに。


ハヤトは、冷麦を食べ終わり、部屋に戻ろうと立ち上がった。


「あら、もう食べないの?
おかわりはいらない?」




「ああ、もう十分だよ。
ご馳走様」

そう言って、ハヤトは自分の部屋に向かって歩いた。
階段を上り、部屋のドアを開ける。
明らかに、殺風景な部屋が目の前に広がっていた。
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