時計の針の行方
「ホットケーキ、チョコレートパフェ、オレンジジュース、焼きそば、コーヒー。以上でよろしいでしょうか?」
「はい、お願いします」
内海は、ウエイトレスにメニューを渡すと、お冷やを一口飲んだ後、美空に問い掛けた。
「なぁ、訊くぞ。準備はいいか?」
美空は、眉をしかめながら内海に言う。
「なによ。あらたまって。さっきから準備OKだけど?」
…なるほど。さっきのは素で気付かなかったのか。
まぁいい。まぁいいよ。
俺は、そのぐらいで怒るほど短気ではない。
助かったな。 美空 彩よ。
内海が心の中で呟いた後、美空に向かって言う。
「なぁ、なんで初対面の俺の名前わかるんだ?お前は、さっき自己紹介してたから、俺はわかるけど、なんでお前は俺の名前を知ってるんだ?」
やった…やっと言えた…
内海が軽い感動に浸ってるところに、美空から返答が返ってくる。
「あぁ、それはーー」
「お待たせ致しました。お飲み物のほうを先にお持ち致しました。コーヒーとオレンジジュースでございます」
…またかよ。