時計の針の行方

「ご注文は以上でよろしいでしょうか?」

先ほどの話は、ホットケーキを運んできたウエイトレスによって中断してしまった。
俺は、焼きそば。
美空はホットケーキ。デザートにチョコレートパフェ。
うん、はっきりと違いがでてる。

「ええ、ありがとうございます」
ウエイトレスは、「ごゆっくりどうぞ」と言葉を付けた後、この場を立ち去った。

「話を続けるわね」
美空は、ホットケーキにメープルシロップをかけながら話の再開を内海に促す。
内海が、首を縦に傾けるのを確認した美空は、話を続けることにした。

「パラレルワールドとは、同じ空間に様々のパターンがあるの」

???
俺には意味が分からなかったが、話をおとなしく聞くことにした。

「そうね……例えば…私はホットケーキを頼んだ。
内海くんは、焼きそばを頼んだ。だから、ホットケーキと焼きそばがきたのよね?
けど、別のメニューを頼んだらどうなってたと思う?」

美空は、促すように内海に問い掛けた。

「そりゃ、別のメニュー頼んだのがくるに決まってるだろ」

美空はすぐさま答える。
「そう。まさにそれよ」
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