時計の針の行方

「なぁ、全く意味が分からない。パラレルワールドの別世界から、移動する方法を教えてくれないか?」

「それは、場所にもよるわ。何故か、移動出来る場所とできない場所があるの」

内海は、怪訝そうに美空を見つめていた。

「なぜ、移動できるのかと言えば…なんでかしらね。そこまでは分からないから」

そう言った後、メープルシロップがたっぷりかかった部分を口に入れた。
いかにも美味しそうに食べるので、内海も一口貰おうと考えたが、まずは話を終わらせることが先だと思い我慢することにした。

「正直、期待外れだ。なぜ、別世界から来れたのか理由を訊いてみたら、分からない、だと?冗談もいい加減にしとけよ」

明確な説明もされない内海は、ここにいることが時間のムダだと感じてきた。
その様子を察していないのか、美空は首を傾げながら話す。

「なんでそんなに機嫌悪そうなの?
あ、そうか。お腹空いてるんでしょ。
焼きそば早く食べないと冷めちゃうぞ~」

……
内海は、見当違いな方向に物事を進められて、怒りを通り越して飽きれていた。

お腹空いたから怒る?アホか?俺をどんだけ子供扱いしたいんだ。
とは思ったものの、焼きそばが冷めてきているので、おとなしく焼きそばを食べることにした。
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