時計の針の行方
「あのさ、あなたはパソコンを持ってるの?」

美空からの突然の問い掛けに、内海は焼きそばを頬張りながら答える。

「あぁ、持ってるぜ。それがどうした」
美空は、内海の無骨な態度に嫌悪したが、我慢して話を続けた。

「あなたは、ネットしたことあるよね?
じゃあさ、インターネットの仕組みを説明してくれるかな?」

「そんなの分かるわけないだろ。専門家でもないんだし。
第一、そんなこと理解してなくたって、ネットはできるしな。」

美空は、ふふん。と笑みを浮かべながら答える。

「そう。まさにそれ。インターネットの仕組みが理解してなくたってネットはできる。私は、この世界に来る方法は知っているけど、仕組みは理解していないの」

あぁ…。
内海は、ようやく納得のいく説明を聞いたような気がした。

ようするに、来れる方法は分かるけど、仕組みについては理解できてないってことか。
内海は、コーヒーを啜りながら美空に問い掛けた。

「けどさ、今までの話が本当だとしたら、なんでこの世界にきたんだ?」

「うん、単刀直入に言っちゃうと、あなたに二ヶ月間の猶予を与えにきたの」


……なんだって?
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