時計の針の行方
「そりゃ、消すわよ」
内海の問い掛けにあっさりと答える。
一方、内海は、たまったものではなかった。
「消される?俺が悪いからか?存在自体が悪いからか?
存在してることが悪いから消すのか。あまり笑わせるな」
内海は、苦笑いをした。
先ほどから、美空のペースで話が進んでいき、挙句の果てに「消す」とまで言われているのだ。
内海の立場がなかった。
「あれ?もしかして、あなた自分の能力に気付いてないの?」
「能力?なんのことだ?」
内海は、ようやく焼きそばを食べ終わった。
焼きそば一つ食べ終わるのに一時間半もかかったのは、内海の生涯で初めてだった。
「そう、能力。いわゆる魔法みたいなもん。」