時計の針の行方

「なあ、今日は疲れた…ちょっと部屋に行っていいか?」

ハヤトは、本当に疲れた様子で母親に伝えた。
麗奈は、軽く頷いて「部屋で彼女と一緒に休んでらっしゃい」と言った。

その言葉を聞いたハヤトは、その場で、すぐに立ち上がり、ゆっくりとした足取りで、自分の部屋へと向かった。

美空は、「お茶ご馳走さまでした」とお礼を言ったあと、ハヤトについていった。


「階段、足元注意しろよ」

階段を上る前に、ハヤトは美空に注意した。
美空はハヤトのさり気ない優しさに、ちょっと感動したが、あまりにもハヤトが疲れてる様子なので、「ありがと」と小さな声で言った。


階段を上り終えると、長い廊下の手前に、一つ部屋があった。
その部屋にハヤトが入り、すぐさまベットに寝転んだ。
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