時計の針の行方
2人は階段を降り、居間へと向かった。
居間に入ってみると、麗奈が食事のしたくをしている。
お祝いのつもりなのだろうか。
テーブルの上には、数多くのごちそうが並んでいた。
一口サイズに切り分けられたランプステーキ。
綺麗に並べられている甘海老の刺身。
アボカドのサラダなど、どれがメインのおかずなのか、分からないくらいの豪華さだ。
2人は、食卓の豪華さに目を奪われながら、向かい合わせに椅子に座った。
「それにしても、喫茶店であんなに食べたのに、もうお腹が空いてるなんて、ハヤトって結構、食いしん坊なんだね」
美空はクスクスと笑いながらハヤトに言う。
……
いつの間にか食いしん坊キャラになってるんだよ。
内海は、軽くため息をつく。
「ああ、そういえばさ」
ハヤトは、食卓に置いてあるレモンの瓶を取りながら、美空に訊く。
「なんで、俺の能力をお前は知ってたんだ?」
ハヤトは、ちょっとした疑問を美空に問う。
キッチンから、天ぷらを揚げる音が居間にまで響いていた。
いくつ、作るつもりなのだろうか。
テーブルには、スペースがあまり空いていないというのに。
「うーん……なんでだろう。直感みたいなものかな」