時計の針の行方
「直感?直感ってなんだよ」

ハヤトは、眉をしかめながら答える。


「うーん…なんだかよく分からない」
結局、曖昧な答えだった為、軽く期待外れだった。
美空は、ハヤトの様子を見ながら言葉を続ける。

「けど、〝運命〟じゃないのかな。こうして2人が出会ったこと」


運命… 運命なんて、恥ずかしい言葉使うなよ…
俺は、お前の予想以上に普通だ。
なんの取り柄もない。
やりたいことも見つからない。
今、もっともニートに近い男と言われてるぐらいだぜ。
そんな奴に運命なんて似合わないだろ…


「あらあら、お二人さん。アツアツですね~」

二人のやり取りを聞いていた麗奈が、テーブルに置いてある大きい皿の上に、揚げたての天ぷらを盛り付けながら発言した。
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