時計の針の行方

一日の終わり

天ぷらが盛り付け終わり、麗奈は二人に言う。


「さぁさぁ、これでご飯のしたくが終わりました。今日から彩ちゃんが、ウチに泊まる記念に、頑張って作ってみました～」

パチパチパチ、と自分で小さく拍手する麗奈。
それに便乗するように、美空もニコニコと笑いながら拍手をする。


「なあ、拍手はいいけどこんな量、三人で食べられると思ってるのか?」

ハヤトは、キツい口調で母親に言った。
当然だろう、三人で食べるにしては量が多すぎだ。
おかずが10品以上あり、おお食い選手権に、でてくるような量だった。


「いいじゃない。どれもとっても美味しそうだし。
麗奈さん。私の為に、本当にありがとうございます」

美空は、麗奈にお礼を言う。なんとなく、おばさんと呼ぶには、いつもニコニコしてて若々しい感じなので、おばさんと呼びにくかった。
なので、美空は内海の母親のことを、“麗奈さん”と呼ぶことにした。


「いえいえ、丁寧にありがとうございます。
さて、そろそろ、いただきますしましょうか」

麗奈は、両手を合わせ、小さな声で「いただきます」と呟いた。
2人も、麗奈の真似をして、「いただきます」と小さな声で呟く。
いつもより、豪華で賑やかな夕食の始まりだ。
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