時計の針の行方
体を拭き終わり、きれいに畳んである制服を取り、ハヤトは制服を着始めた。
ハーブのほのかな香りがする。

夏服のため、ハヤトはあっという間に着替え終わった。
使ったタオルを洗濯かごに放り込むと、すぐさま脱衣所のドアを開けて、廊下を歩き始めた。

美空はまだ寝てるのかな…

まだ寝てる、に一票を自分自身の心に投票し、階段を上り、部屋のドアを開けた。

部屋の中の時計を見てみると、七時十五分を示していた。

まだ寝てんのかよ…

半ば、呆れつつベットのはしごを上り、美空の顔を覗き見る。
美空は相変わらず、可愛い寝息をたてて、スースーと寝ていた。

「おい、美空、いい加減起きろ。朝メシもできあがってるぞ」
そう言いながら、ハヤトは美空の体を揺らした。
しかし、美空は一向に起きる気配を見せなかった。



……眠り姫かこいつは…
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