時計の針の行方
「おい、冗談もいい加減にして起きろ」
そう言ったあと、美空のほっぺたをプニプニ引っ張った。なかなかの弾力だ。
「あと……五分…」
美空の寝言が聞こえてくる。
つーか、なんで人は“あと五分”と言うんだろ。
ハヤトは、少しだけ疑問を持ちながら、すぐさま言う。
「おい、五分経ったぞ」
勿論、嘘だ。
しかし、そう言われると美空は、すぐに言葉を返した。
「…あと十分………」
おい、なんか増えてるぞ。
もはや、話し合いは無理だと察したハヤトは、ハシゴを降り下のベットの中にもぐりこみ。
そして、一気に美空の寝てるベットを左に傾けた。