時計の針の行方

ドスッ!

心地良い音がして、美空は床に落ちた。
そして、すぐさま立ち上がりハヤトの方を見つめる。

「よう、やっと起きたか。朝メシできてるから下行くぞ。」
あくまで、自分は関係ない。というふうに普通に話すハヤト。
その様子を見て、寝起きの美空は混乱していた。

「ねえ、私はなんで床に寝てるの?」

美空の質問に、思わず吹き出しそうになったが、自分は関係ないことを貫く嘘を言う。

「お前、寝相悪いから落ちたんだろ。そんなことより、ちゃっと起きろ」

その言葉を聞くと、ゆっくりと立ち上がり、「うーん…」と背伸びをする。
背伸びをしたあとに、ハヤトの方を見て、ニッコリと「おはよう」と言った。


「ああ、おはよう… 先に下に行ってるから、すぐ来いよ」

そう言うと、ハヤトはベットから立ち上がり居間へと向かった。
階段を降りながら、これからどうするかを考える。

あいつ… 寝起きは良いけどなかなか起きないからなあ…
これじゃ、これから起こすのが苦労しそうだ。
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