時計の針の行方
そういえば… コイツ、食べるの遅かったよな…
ハヤトは、朝ご飯を食べながら美空を見る。

遅い。

相変わらず食べるのが遅かった。
時計は、もうすぐ七時半を示していた。
少なくとも、八時には家をでないと間に合わない。
美空は、まだ寝巻姿の為、これから制服に着替えなければならなかった。

「おい、美空。もう少し早く食えないか?ここを八時に出なきゃ学校に間に合わんぞ」

ハヤトは、自分の分の朝ご飯をすっかり食べ終わり、美空に言う。
美空は、その言葉を聞いた途端、急いで食べ始めた。
といっても、ハヤトからしてみれば全然遅いのだが。

急いで食べている美空を見つめながら、ハヤトは今日の授業のことを考えていた。


今日は、一時間目から英語か… めんどくさ…
しかも、以前やった小テストを返されるのか… ダルい…

ハヤトが考えている間に、美空は黙々と一所懸命に朝ご飯を食べていた。
美空にしては、早いペースで食べており、残すは味噌汁だけになっている。


さあ、味噌汁なんてチャッチャッと飲んじゃえ。
マジで、時間がヤバくなってきたから早くしてくれ。

しきりに時間の心配をするハヤト。
しかし、その心配をよそに、美空は味噌汁を、フー、フーと冷ましていた。
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