時計の針の行方
おい… 早く飲んでくれよ…もう、七時四十五分だぞ…
ハヤトの悲痛の叫びも美空には届かず、相変わらず、フーフーと冷ましていた。
たまらず、ハヤトが口を開く。
「なあ、美空。八時に出れば間に合うの意味分かるか?走って間に合うの意味だぞ?
逆に言えば、八時に出なければ間に合わないんだ。
頼むから早く飲んでくれ…」
美空は、味噌汁をフーフーしながら答える
「ごめん!私、猫舌だからどうしても、熱いものは冷まさないと飲めないの」
あくまで明るい笑顔で言う美空。
食べるのが遅い&猫舌かよ…
これほど、最悪なスペックの組み合わせもないだろう。と、ハヤトは思った。
味噌汁が冷めたのか、少しづつ飲み始める。
もはや、味噌汁から湯気はでていなかった。
あーあ、今日も二人っきりのマラソン大会か。