時計の針の行方

「断る。なんで、残り2ヶ月しかないのに、勉強しなきゃならないんだ」

「ふーん、そんなこと言っていいんだあ…」
美空は、なにかを考えているようにニタリと笑う。

「なにがだよ…」
ハヤトは、頭をかきながら答える。
そんなことよりも、早く学校へ着きたかった。

「夏休み前のテストで赤点とったら、赤点一つで十日以上学校通いで、赤点二つ以上だったら、ほぼ毎日学校通いらしいじゃない」

美空は、フフンと笑いながらハヤトに言った。
ハヤトは、前にいる美空を無視して歩き始めた。
美空も慌てて、ハヤトの隣りを歩く。

「で、どうするの?」

美空がハヤトに問い掛ける。
自慢ではないが、ハヤトは現段階で赤点を二つ以上取る自信があった。(嫌な自信だが)
もし、このまま勉強しないでいたのなら、夏休みのほとんどが補習だ。
それだけは、どうしても避けたいハヤトは仕方なく了承することにした。

「仕方ねえなあ… 今日から頑張るか…」

ハヤトの、その言葉を聞くと、ニッコリ笑いながら、「ありがと!」とハヤトに言った。
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