時計の針の行方
「本当にいいのか…?ジュース一本奢れよ?」
「男に二言はねえよ。それに、今回のテストは本当に自信があったんだから」
ほう、本当に自信ありそうだな…
キーンコーンカーンコーン
二人が話してる間にチャイムが鳴り、英語の教科担当がクラスに入る。
テストの用紙を人数分持っていた。
「はい、始めるから席に着いてー 日直、号令かけて」
「気をつけ、礼」
「お願いします」の声と共に授業が始まる。
先生は、テスト用紙を整頓しながら言った。
「今日は、前回の小テスト返すからね。廊下側の列から返していくよー」
そう言うと、一番右の席の人の名前を、次々と呼んだ。
歓喜する者。絶望する者。反応は様々だ。
次々と呼ばれ、ハヤトの番がくる。
ハヤトは、答案用紙を受けとり、すぐさま点数を確認した。
……
48点…
ま、まあ、勉強もしてないし、こんなもんだろ。
今回は、俺の負けかな。
そう思いながら、上江田が答案用紙を受けとる姿を見ていた。
上江田が席に座り、「準備はいいか?」と一言、言った。