時計の針の行方
上江田は、ハヤトの言葉を聞くと、すぐさま答案用紙を確認した。

「ホントだ…Japanじゃなくて、Japonになってる…」

「………」

無言の二人をよそに、英語担当の武田が全体に注意した。

「もうすぐ、期末だからな。こんなテストで赤点取ってる奴は、絶望的だぞ。じゃあ、授業に入るからなー」

武田の言葉を聞き、言葉を無くす上江田。
その光景をよそに、ハヤトはさっさと教科書を開き、授業の準備をする。

今日は、62ページからだったな…

こうして、英語の授業が始まり、ハヤトも珍しく黒板の文字をノートに書き写していた。
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