虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「沖田さん睦月です。」
「どうぞ~」
気の抜けた返事に襖を開け、中に入る。
「失礼します・・・!?」
わたしは中の光景に目を見張った。
沖田さんが・・・甘味に囲まれているってか・・・呑まれてる・・・
「そんな引き気味に見ないでよ」
そんな沖田さんを無視し、用件を告げる。
「土方さんが入隊試験の前に、沖田さんに稽古してもらえ、とのことなので来たんです。
稽古していただけないでしょうか?」
――――めんどくさいなぁ。
「あ~そういうこと。いいよ。
ちょっと待ってね、この甘味食べ終わっちゃうから♪」
この量・・・人間が食べ切れる量ではない。
と思っていると沖田さんはもの凄い勢いで甘味を口に詰め込み始めた。
あっという間に甘味を平らげると、立ち上がった。