虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「誰の稽古が荒っぽいって~?」
その声に真っ青になる藤堂さん。
恐る恐る振り返ると、背後に立っていたのは沖田さんだった。
「い、行こう睦月!」
わたしの手を引き道場へと走る。
沖田さんはニヤニヤ笑ってはいるものの、追いかけてはこなかった。
・・・命拾いした。
額にかいた、汗ではなくて冷や汗を拭う。
『ガラっ』
道場に入ると隊士達が稽古をしていた。
隊士達に指導しているのは土方だった。