虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
その後、目を覚ました睦月は山崎さんと話していたのだが・・・
山崎さんの顔を見て、目を逸らした。
そして僕に“ありがとう”、と言った。
でもその顔はどことなく悲しそうで―――
僕は寝たほうがいいと言った。
けど、本当の所、こんな悲しそうな顔を見たくなかった。
そのまま眠ってしまった睦月の顔は、さっきと違って安心したような顔をしていた。
辛い過去を抱えた睦月・・・そんな睦月がもう一度人を信用できるように。
幸せになれるように、もう一度光を見られるように、未来に向かって歩けるように―――
守ってやりたいと、そう思った。
*藤堂side end*