虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
そう切り返され歩き続ける。
わたしの足元がなんか変わってきた。
山の中に入ったのか、ゴツゴツしている。
山といえば薄暗いはずなのだが・・・なんか、明るくなってきている。
わたしの横を何かが通った。
ひらひらと舞うピンク色の何か・・・
「睦月、着いたよ」
その声に下ばかり見ていた顔を上げる。
「わぁっ」
わたしの目に飛び込んできたのは、ひらひらと舞い散る桜だった。
樹齢数百年は軽く超えているだろう。
とても大きくて立派な桜。
こんなに綺麗な桜・・・はじめて見た。
ここは開けていて青空に映える桜がよく見えた。