虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「そうか・・・辛かっただろうな・・・」
しみじみと言った藤堂さんも桜に目を向ける。
「あなた達もです」
「へ?」
「あなた達も、桜と同じです。堂々と咲き誇っている姿が」
そう、彼らは桜だ。この時代に咲き誇り、そして・・・儚く散っていく。
儚い夢のような、蜃気楼のような彼ら。
でも・・・今、輝いている。
「そうかな?まぁ、桜好きだからいいけど!」
嬉しそうに反応してくれたが、彼はまだ自分の未来を知らない。