虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「――――っぅ・・・・・・」
写真を抱きしめ、流れてくる涙を拭えないまま、嗚咽を噛み殺す。
お願いだから、この寂しさを。
・・・・・・開いてしまった“穴”を。
誰か――――誰でもいいから、埋めて欲しかった。
写真の中のお父さん達は、笑っているだけで。
わたしをもう、助けてはくれない。
月明かりが漏れる窓の下で。
また、わたしは・・・・・・一人、涙を流しながら眠りにつく。
きっとわたしを、助けてくれる温かな手なんて無いと、もう分かっていた。
あの日までは。