虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「おい起きろ睦月!」
肩を揺すると膝にうずめていた顔が少しずれた。
僕はその顔を見てはっと息を呑んだ。
頬には、いくつもの白い筋が流れている。
・・・泣いたのか・・・?
揺さぶっていた手を肩から降ろす。
ツゥ――――
睦月の閉じた瞼から、涙が一筋白い頬を伝った。
「む・・・つき?」
「・・・っん・・・どうしたんですか、藤堂さん」
僕の声で目を覚ましたのか、眠そうに・・・
いや、泣いた痕を隠そうとして目を擦る。