虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


「ん・・・?」



顔を顰めながら起き上がる藤堂さん。


その瞳にわたしの顔が映る。



「どうした、睦月・・・まだ暗いのに・・・」



眠そうに目をこすっている。


少し申し訳ない気もしたが、今寝るとまたあぁなるだろう。



「魘されてたので。ずっと【平汰】って言ってましたけど」



【平汰】という言葉を耳にした藤堂さんは、少し悲しそうな顔で俯いた。



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