虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


「どうした、睦月?」


固まっているわたしに藤堂さんが声をかけてきた。



「どこか斬られたのか!?」


「いえ、どこも斬られていません」



心配そうに、わたしを覗き込んでくる藤堂さん。


わたしはそれには答えずに、あの冷たくなった力士を指差した。


< 288 / 858 >

この作品をシェア

pagetop