虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
なぜかあいつ・・・一条玖於がいる。
こいつに自分から話しかけるなんて腑に落ちないが、しかたない。
「なぁ、ここどこだ?」
「ん?あぁえっと・・・分かんない」
たぶん、わたしが話しかけてきたことが意外だったのだろう。
それにしても噛みすぎだ。
「わたしの推測だが・・・ここ、少なくともわたし達の学校の周りではないよな」
最悪の考えだが・・・タイムスリップとか・・・ではないよな。
「すみませーん。ここ、どこですか?」
一条君、なんでそんなに冷静なの?
「ここは京ですよ」
親切な女の人はわたしの格好が気になるのだろう。
こっちをチラチラみながら答えている。