虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「どうしたんですか?」
今、変なこと言ったのだろうか・・・?
「雪が黒いって・・・」
わたし達にとっては普通の事なのだが、この時代の人達にとってはそうではなかったみたいだ。
「あぁ・・・俺達が住んでた所は、雪があまり綺麗ではなかったんです」
だから、本とかで見る雪は憧れそのものだった。
そっと雪に触れてみる。
冷たくて、すぐに手の上で溶けてしまう。
儚くも、綺麗で――――まるで、冬の桜のようだった。
「なら、これもした事ないか・・・」