虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
そして・・・珍しく、一番最後だった藤堂さん。
急いできたのか、顔が赤い。
「8番組、揃ったな」
雪道を歩くのは、思った以上に大変だった。
しかし、他の隊士は平然とした面持ちで歩いていく。
こんな中で、長州の奴等と出くわしたら・・・最悪だ。
「皆、後ろに気をつけろ。誰か、ついてきてる」
歩みを止めず、藤堂さんは小声で指示を出す。
確かに、後ろからは微かだが足音がしている。
でも、それは意識しないと分からない位小さな音。
雪が音を吸い込んでいる中、気付くなんて・・・