虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


そして・・・珍しく、一番最後だった藤堂さん。


急いできたのか、顔が赤い。



「8番組、揃ったな」



雪道を歩くのは、思った以上に大変だった。


しかし、他の隊士は平然とした面持ちで歩いていく。


こんな中で、長州の奴等と出くわしたら・・・最悪だ。



「皆、後ろに気をつけろ。誰か、ついてきてる」



歩みを止めず、藤堂さんは小声で指示を出す。


確かに、後ろからは微かだが足音がしている。


でも、それは意識しないと分からない位小さな音。


雪が音を吸い込んでいる中、気付くなんて・・・

< 367 / 858 >

この作品をシェア

pagetop