虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


周りを見ると、既に事は片付いていた。


10人程の長州の武士達の血が、雪の中で花を咲かせている。


だいぶ派手にやったようだ。



「じゃあ、そろそろ帰るぞ―――・・・」



藤堂さんの声で、列を直す隊士達。


それにしても・・・藤堂さんの声、なんかいつもと違う気がするのだが・・・


慣れない雪道に、悪戦苦闘しながらも藤堂さんに視線を向ける。


寒さのせいなのか分からないが、真っ赤な顔。


まさか・・・



「藤堂さん・・・風邪引いたんじゃないですか?」



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