虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


そして・・・わたし達の目の前には、長州の奴が切っ先を向けていた。



「睦月は下がってて」



少しきつめの口調の藤堂さんの背後に回る。


いつでも、藤堂さんをカバーできるように、抜刀しておいた。



相手から漂ってくる殺気の量は、半端じゃない。


少し不安になったわたしは、藤堂さんを見上げる。



「と、藤堂さん・・・!!」



蒸し暑い夜だったこともあり、汗で額の鉢金がずれている。


それに気を取られていた藤堂さんは、不敵に笑う敵に気が付いていなかった。


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