虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
返事の代わりに、フルフルと首を振った。
「そ、うです、か――――」
「沖田さん!!」
グラッと、俺の方に倒れてきた沖田さんを慌てて支える。
額に浮かんだ大量の汗。
やっぱり、熱中症なのだろう。
沖田さんを支えながら、ゆっくりと階段を下りていく。
人が、自分の手によって死んでいくのは辛いけど・・・
大切な人を、守れないのはもっと辛い。
「おい、大丈夫か!?」
一階に降りると、永倉さんが駆け寄ってきた。
そして、ぐったりしている沖田さんを見て、顔を強張らせる。