虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
でも、傷を負ったわけではないということが分かったのか、ほっとした顔へと変わった。
「そうだ、ここは俺に任せて、庭のほうへ行って来てくれ!」
庭で、まだ誰かが戦っているのだろう。
俺は、急いで庭へと走った。
そこで俺が見たものは――――
地面に座り込んでいる、藤堂さんの姿だった。
怪我でもしたのかと思い、駆け寄る。
でも・・・怪我をしていたのは藤堂さんではなかった。
「睦月っ! 睦月!!」
必死に叫んでいる、藤堂さんの悲痛な声。
真っ赤に染まった睦月の体。