虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


そして、庭の状況を見て絶句している。


土方さんの後ろに立っていた山崎さんが、藤堂さんを睦月から引き剥がそうとした。


力なく離れると思ったけど、藤堂さんは睦月を離さない。



「平助っ!! 睦月を屯所まで運ばなければならない。だから、少し離してくれ!」



横で、永倉さんと原田さんが話しかけても・・・


藤堂さんの反応に、変わりはなかった。


この二人に何があったのか・・・俺は分からない。


だけど、藤堂さんがこんな風に変わってしまったのなら――――



余程の事があったに違いない。


俺達を見下ろす月は、いつもと違って赤く染まっていて・・・


まるで、今の俺達を表しているみたいだった。





*一条side end*


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