虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
土方の部屋の前につくころ、わたしの肩の包帯に血が滲みかけていた。
はじめはゆっくり来よう、って思った。
でも・・・早くしないと、藤堂さんが消えてしまいそうで怖かった。
声はかけず、そっと部屋に入る。
「・・・藤堂、さん?」
まだ明るいのにこの部屋だけは、藤堂さんの周りだけは暗かった。
「――――だ。」
・・・え?
「また――――僕のせいで・・・人が死ぬのか・・・?」
小さな、小さな藤堂さんの声。