虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「そっか・・・まあ、もうすぐ笑えるよ」
藤堂さんは少し残念そうだったけど、いつも通りの笑顔だった。
そして、向日葵畑の中の一本を折って、わたしに持たせた。
「睦月がいつか、向日葵みたいに笑えますように」
その言葉に、顔が熱くなる。
わたしは、パッと顔を背けて、歩き出す。
藤堂さんなんて、置いていってしまおう。
「ちょっと、待って睦月!!」
「嫌です」
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