虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
しかも一条が、誠さんと沖田さんの仲を話した時、少しだが寂しそうな顔をしていた。
まあ、いつか分かるだろう。
沖田さん絡みのことは、放っておくのが一番だ。
そんな、のんきなことを考えていたわたし。
「睦月、入るぞ――――」
藤堂さんが入ってくると同時に、ふんわりとした匂いがする。
そっと握られていたのは、梅の花だった。
それを、わたしの寝ている布団の枕元に置く。